米倉涼子のドラマ 松本清張作品(その1)

ドラマ・映画・アニメ

最近は、長年所属したオスカープロモーションを出て、個人事務所「Desafio」を立ち上げたことが話題の米倉涼子さん。

これまで数多くのヒットドラマに主演してきましたが、米倉さんがその役柄を広げるきっかけになったのが松本清張の作品です。

松本清張と言えば、数多くの小説がドラマ化されてしますが、米倉さんほどその作品に主演している女優さんはいないのではないでしょうか。

今回は、米倉涼子さんのドラマの中でも松本清張作品についてご紹介します。

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【米倉涼子のプロフィール】

米倉涼子さんは1975年8月1日生まれ。

横浜出身で、5歳から15年間もクラシックバレエを習っています。

神奈川県立旭高等学校在学中に、第6回全日本国民的美少女コンテストの審査員特別賞を受賞したのがきっかけで1992年にモデルとしてデビュー。
1999年に女優宣言をし、「恋の神様」(TBS)で初のドラマ出演を果たしました。

当初、トレンディードラマに出ることが多かったんですが、“米倉と松本清張の3部作”と言われる『黒革の手帖』(2004年 テレビ朝日)、『松本清張 けものみち』(2006年 テレビ朝日)、『松本清張 わるいやつら』(2007年 テレビ朝日)で悪女を演じて女優としての地位を高めました。

中でも、2006年に公演した『黒革の手帖』の舞台版が大反響。
その後、2008年に『CHICAGO』の日本版でミュージカルに進出し、2012年には同作品でブロードウェイの主演デビューを果たしています。

その年に放送が始まった『ドクターX  外科医・大門未知 』も大ヒットし、人気シリーズになりました。

プライベートでは、2003年に大河ドラマ『MUSASHI』で共演した市川海老蔵と交際しましたが、破局。
2014年に会社を経営する2歳年下の一般人男性と結婚しましたが、その2年後に協議離婚をしています。

『ドクターX』などのドラマの印象から、クールで強い女性のイメージがありますが、素顔は人見知りの甘えっ子タイプなんだそうですよ。
意外ですね。

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【米倉涼子が出演した松本清張作品】

そんな米倉涼子さんですが、これまで出演した松本清張作品は、ドラマ・舞台を含め7作品。
しかも、どれも主役を演じています。

  • 黒革の手帖
  • けものみち
  • わるいやつら
  • 熱い空気
  • 強き蟻
  • かげろう絵図
  • 疑惑

松本清張は大人気作家ですから、これまで同じ作品が何度もドラマや映画、舞台になっていますが、7作品も主演している女優さんは、米倉さん以外にいないんではないでしょうか。

それでは、米倉さんが主演した7つの作品をご紹介します。

『黒革の手帖』

1978年に発表された松本清張のピカレスク・サスペンスの代表的長編です。
1978年11月16日号 – 1980年2月14日号まで『週刊新潮』に連載されその後、単行本・新潮文庫版・電子書籍版が発売されました。

《ストーリー》
冴えない女子行員・原口元子は単調な生活から脱却するため、勤めていた銀行から1億2000万円を横領。
架空名義預金者リストが記された黒革の手帖と引き換えに、銀行に横領を不問に付させることに成功します。

老舗クラブで銀座での生き方を学び、銀座に「カルネ」という名のクラブを開いた元子。

順調に滑り出した元子のカルネだったが、ホステス・山田波子が常連客の楢林譲治から金を引き出して、同じビルに店を開くと言い出します。

元子は激怒し、黒革の手帖の写しを使って楢林から大金をゆすりとり、波子の開店計画はご破算に。

続いて、元子は銀座一の名店「ロダン」買収のために新たなターゲットを探し始めます。
そのころ元子は、カルネに顔を出すようになった代議士秘書・安島富夫に惹かれて行きますが、総会屋の長谷川庄司に安島に近づかないよう警告されます。
安島を忘れ、ロダン買収に邁進する元子だったが、長谷川が仕掛けた罠が元子を待ち構えていました…。

「絶対誰の囲い物にもならない」「絶対一生誰も愛さない」を信条とする女の生き方を描いた物語。

《ドラマ“黒革の手帖”》
松本清張の『黒革の手帖』は、これまでテレビ朝日系で5回、TBS系で1回の合計6回もテレビドラマ化されています。
ご紹介しますね。

1982年版『松本清張の黒革の手帖』:テレビ朝日系(毎週月曜日22時 – 22時54分)主演=山本陽子さん、平均視聴率17.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム 以下同様)

1984年版『黒革の手帖』:TBS系(毎週月曜から金曜の13時 – 13時30分)主演=大谷直子さん

1996年版『松本清張特別企画・黒革の手帖』:テレビ朝日系(単発)主演=浅野ゆう子さん、視聴率18.1%

2004年版『松本清張 黒革の手帖』:テレビ朝日系(毎週木曜日21時 – 21時54分)主演=米倉涼子さん、平均視聴率 15.7%

2005年版『黒革の手帖スペシャル 白い闇』:テレビ朝日系(単発2時間ドラマ)主演=米倉涼子さん、視聴率 16.4%、

2017年版『黒革の手帖』:テレビ朝日系(毎週木曜日21時 – 21時54分)主演=武井咲さん、平均視聴率 11.4%

名だたる人気女優さんが主役を務めていますね。

尚、2005年版『黒革の手帖スペシャル 白い闇』は、松本清張の短編小説「白い闇」を「黒革の手帖」風にアレンジした内容ですから、厳密に言うと松本清張『黒革の手帖』とは違うかもしれませんが…。

《舞台“黒革の手帖”》
2006年と2009年に明治座で公演されました。
米倉涼子さんにとって初舞台でした。

先ほど書きましたが、この舞台が反響を呼び、米倉さんに女優として火がついたんですよ。

テレビドラマと舞台で主人公の原口元子を演じたことについて、米倉さん、インタビューでこんなことを言っています。

――テレビドラマで、原口元子を演じた感想を聞かせてください。

元子と私の共通点はそんなにありませんけど、相手の存在が大きければ大きいほど燃えるっていう気持ちは少しわかるような気がしますね。それから、きれいな着物を着せて頂いたり、胸元の大きく開いたドレスを着たりすると、男の人って見る目が変わるんだな……と実感しました(笑)。

――ドラマ版の元子と、舞台版の元子の違いは?

私はドラマで演じた元子のイメージでやりたいと思っています。演出家の先生に、“ゼロから元子をつくり直して”と言われるかもしれませんけど。とにかくやるからには、思い切りやりたいんです。お客さんに“無難にまとめたよね……”という感想を持たれるのが1番イヤ。だから、今は色んなアイディアをスタッフのみなさんに伝えているんです。明治座を“夜の銀座の世界”に変えて、お客さんには楽しんで帰って欲しいから。
(Theatrixより)

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『けものみち』

松本清張が戦後日本の権力構造とそれに翻弄される人間の運命を描いた社会派サスペンス。1962年から1963年まで『週刊新潮』に連載され、のちに単行本化され、電子書籍版も発売されているんです。

映画化が1回、テレビドラマ化が3回ありますね。

《ストーリー》

脳軟化症の夫・成沢寛次を養うため、住み込み女中として働く美貌の女性・成沢民子。しかし、夫は疑り深く、民子が家に戻るたびに民子を責め立てます。

大手ホテルの支配人・小滝章二郎は、安楽な生活を約束するからと民子をそそのかし、失火を偽装して夫を殺させてしまいます。
やがて、小滝を通じて政財界の黒幕・鬼頭洪太の愛人になった民子は、奔放な生活を送るように…。

一方、刑事・久恒義夫は、民子の夫の焼死が失火ではなく、民子による殺人事件であることを突き止めます。
久恒は、証拠を盾に美しい民子にたびたび関係を迫りますが、突然、警察官を免職されてしまいます。

背後で鬼頭が手をまわしたことに気付いた久恒は、鬼頭の闇の部分をしたためたネタを新聞社に持ち込むものの、どこも鬼頭の力を恐れて採用しません。
鬼頭の力を知った久恒は、失踪した鬼頭家の女中頭の殺害事件の証拠を集めます…。

《映画“けものみち”》
映画版は、『けものみち Beast Alley』のタイトルで、1965年9月5日に東宝製作・配給で公開されました。

主人公の成沢民子を演じたのは池内淳子さん。
他に、池部良さん、小沢栄太郎さん、小林桂樹さんが共演し、須川栄三監督がメガホンをとりました。

《ドラマ“けものみち”》

1982年版『松本清張シリーズ・けものみち』:NHK(毎週土曜日20時 – 21時10分)主演=名取裕子さん、平均視聴率 17.6%

18991年版『松本清張作家活動40年記念・けものみち』:日本テレビ系(毎週火曜日21時3分 – 22時52分)主演=十朱幸代さん、視聴率 18.1%

2006年版『松本清張 けものみち』:テレビ朝日系(毎週木曜日21時 – 21時54分)主演=米倉涼子さん、平均視聴率 14.7%

ということで、『けものみち』も、米倉さんの他、池内淳子さん、名取裕子さん、十朱幸代さんといった大物女優さんが名を連ねていますね。

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『わるいやつら』

『わるいやつら』も、『黒革の手帖』や『けものみち』と同様に『週刊新潮』に連載された長編小説で、社会的権威が高い医師が犯罪に手を染めていく様子とそれに翻弄される周囲の人間模様を描いています。

連載時期は1960年1月11日号から1961年6月5日号ですから、3作品の中ではこれが一番早く発表されたんですね。その後、単行本・電子書籍版も発売されています。

映画化が1回、、テレビドラマ化は4回あります。

《ストーリー》
名医と言われた父の後を継いで病院の院長となった戸谷信一。しかし、経営は、毎月赤字続き。

口が上手い戸谷は、愛人である材木商の社長夫人・横武たつ子、同じく愛人の料亭の女将・藤島チセたちから金をまきあげては赤字の穴埋めをしていました。

新たに、独身で美貌のデザイナーの槙村隆子と知り合った戸谷は、隆子と結婚まで持ち込みたいと思うようになります。

妻と離婚するための金も愛人から絞り取ろうと考え、友人であり税理士でもある下見沢作雄に金銭問題を任せます。

しかし、金づるである愛人・横武たつ子が病夫を毒殺した際に、偽の死亡診断書を作成して協力したことから全てが狂い出します。

戸谷は、かつて父の愛人であり、自分も関係した婦長・寺島トヨと共謀してたつ子を殺害。最も大きな金づるである藤島チセの夫殺害にも手を染めます。

やがて、全てを知る寺島トヨが邪魔になった戸谷は、トヨを殺害し隆子に全てを注ごうとしますが…。

《映画“わるいやつら”》

映画『わるいやつら Bad Sorts』は、1980年6月28日に松竹系にて公開されました。

院長・戸谷信一 を 片岡孝夫さん、美貌のデザイナーの槙村隆子を 松坂慶子さんが演じています。
のちに米倉さんが演じた 寺島トヨ は 宮下順子さんが務めました。

監督は「配達されない三通の手紙」の野村芳太郎監督、興行収入は5億3500万円でした。

《ドラマ“わるいやつら”》

1985年版『松本清張スペシャル・わるいやつら』:日本テレビ系(4月2日 火曜日21:02から23:24単発)主演=古谷一行さん(戸谷信一役)。槇村隆子役を 名取裕子 さん、寺島トヨ役を ちあきなおみ さんが演じました。平均視聴率 17.6%

2001年版『松本清張特別企画・わるいやつら』:BSジャパン(4月8日 日曜日21:00から23:24 単発)。同年4月18日にテレビ東京系列で放送されました。主演=豊川悦司さん(戸谷信一役)。萬田久子さんが槙村隆子 役を、寺島トヨは「寺島トヨ美」に改められ 藤真利子さんが演じていました。

2007年版『松本清張・最終章 わるいやつら』:テレビ朝日系列(毎週金曜日21:00から21:54)。原作は病院長・戸谷信一が主人公で、これまでの映画・ドラマも同様でしたが、本作では米倉涼子さんが演じた看護師・寺島豊美(寺島トヨ)が主人公になっています。平均視聴率 9.35%

『黒革の手帖』『けものみち』に続くテレビ朝日の米倉主演“松本清張3部作”の最終章として位置付けられていました。

『黒革の手帖』『けものみち』では悪女を意識して演技していなかったという米倉さんですが、『わるいやつら』は違ったようです。

「今回は悪女を認識しながら演じています。『黒革の手帖』の元子や『けものみち』の民子は悪女じゃないと思って演じていたら、悪女になっていた。
今回演じる豊美は、こんなことをやったら悪女になると思いながらも、本当に悪いことをやってしまう。精いっぱい演じるのみです」

なんて語っていましたよ。

2014年版『松本清張 わるいやつら』:BS日テレ(3月16日 日曜日20:00から21:54単発)主演=船越英一郎(戸谷信一 役)、寺島豊美 役は 室井滋さんが演じています。

こうしてみると、米倉涼子さんの時だけ物語の主人公が院長・戸谷信一ではなく寺島豊美(寺島トヨ)になっていたんですね。

テレ朝にとっては、米倉・清張ラインはそれだけ重要な位置づけなんですね。

『熱い空気』『強き蟻』『かげろう絵図』『疑惑』の4作品については【米倉涼子のドラマ 松本清張作品(その2)】でご紹介しています。是非ご覧ください。

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