5月6日、松坂桃李さんが自身が主演する時代劇映画『居眠り磐音』の舞台あいさつで、作品への強い思いを語りました。
また、映画関係者の間では「シリーズ化したい」という声もあるそうです。
松坂さんの時代劇初主演のこの映画、一体どんな映画で松坂さんはどんな思いで撮影に臨んだんでしょうか?
【松坂桃李主演の時代劇映画“居眠り磐音“とは】
映画のタイトル『居眠り磐音』の『磐音』は“はんね“と読みます。
もともとは、作家:佐伯泰英さんの大ヒット時代小説シリーズで全51巻とスピンオフ既刊1巻が出ているほどの人気作品。
累計発行部数2000万部を超えるベストセラーで、『平成で最も売れた時代小説』と言われています。
すでにテレビドラマ化もされていて、NHKで2007年から2017年にかけてシリーズ『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』として放送されていたんですよ。
テレビドラマの主演は山本耕史さんで、視聴率は、第1シリーズが11.5%、第2シリーズが10.9%、第3シリーズが 9.5%(いずれもビデオリサーチ調べ・関東地区)もあったといいますから、時代劇としては結構人気ですね。
テレビも映画も、登場人物の基本的な設定はほぼ同じですが、出演者は一新されています。
主人公“磐音“が山本耕史さんから松坂桃李さんになったことで、テレビとはまた違った“磐音“像が期待できますね。
『この男、切ないほどに、強く、優しい。』というコピーがつけられた映画『居眠り磐音』。
“時代劇史上最も優しい主人公”なんて言われています。
どんなストーリーかというと…
「坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼馴染を失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩。
すべてを失い、浪人の身となった──。江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋の大家・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として働き始める。
春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。
そんな折、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、哀しみを胸に悪に立ち向かう──。」
ちなみに、タイトル『居眠り磐音』の“居眠り“の由来は、剣の達人の磐音の剣術が、日向ぼっこで居眠りする猫のような“眠っているのか起きているのかわからない”独特な剣さばきであることから来ているんですよ。
【松坂桃李が心が折れそうになった映画“居眠り磐音“にかける思い】
イケメンの若手俳優の中でも、ルックスだけでなくその演技力が高く評価されている松坂桃李さん。
2018年には、ヨコハマ映画祭助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞など主要な賞を総なめにしましたね。
そんな松坂さんが初めて時代劇で主人公を演じた映画『居眠り磐音』ですが、ご自身はどんな思いだったんでしょうか?
こんなコメントをしています。
僕が演じた坂崎磐音は穏やかで静かな空気を纏いつつ心の奥底に青い炎を燃やしている、そんな男です。
年寄り猫のような磐音、彼の中で時間がゆっくり流れているような。
クランクイン前に殺陣や所作に加えて、鰻捌きの練習をしてきましたが、非常に難しく心が折れそうになりました。
本木監督はじめ、アクションチーム、京都のスタッフさん、共演者の皆様に支えていただき、何とか最後まで演じきることができました。
幅広い世代の方に楽しんで頂ける作品になっていると思いますのでよろしくお願いいたします。
殺陣だけでなく、鰻捌きまで心が折れそうになるほど繰り返し練習したなんて、やっぱりプロですね。
演技派と言われるゆえんですね。
で、5月6日、一般公開に先立って都内で行われた完成披露試写会では、松坂さん、こんなあいさつをしています。
「改めて自分の初めての主演でやらせて頂いた時代劇が『居眠り磐音』で良かったと心の底から思っております」
「みなさんの応援と支えのおかげで完成披露まできました」
松坂さん自身、初の主演時代劇が『居眠り磐音』で納得されているようですから、どんな演技が見られるか楽しみです。
【映画“居眠り磐音“の主題歌への松坂の思い】
映画『居眠り磐音』の主題歌を歌うのは、これまた実力派シンガーのMISIAさん。
最新アルバムに収録されている『LOVED』がその曲です。
“あなたを好きになれて良かった” “それぞれ今を生きてゆくよ” と、磐音と許嫁の奈緒の、切ない想いを歌っています。
この主題歌についての松坂さんのコメントです。
MISIAさんの楽曲を聴かせて頂いた時、エンドロールで流れている画が瞬時に浮かんできました。
そして、歌詞の言葉一つ一つが「居眠り磐音」の世界観と寄り添っており感動しました。特に「すれ違い背を向けた その数だけ愛おしくなる」という歌詞は、磐音と奈緒の悲恋を、その後の磐音が背負っているものは「痛みに学ぶ 真実抱きしめて」という歌詞に全て込められているように感じます。この曲を聴きながら撮影に臨みたかったくらいです。
繰り返し聴いて、この作品を伝えていく上での養分としていきたいと思います。
また、MISIAさん自身はこのように語っています。
多くの方に愛されている この作品の映画化。
その映画のエンディングで流れる歌として、この歌を選んでいただき大変嬉しいです。
いち早く作品を観させていただきましたが、松坂桃李さん演じる磐音の柔らかで優しい眼差しの奥に陰る悲しみが切なく涙がこぼれました。
「LOVED」は「恋愛」をし「失恋」をし「愛」だけを心に残した人の歌です。
その心を伝えられるよう大切に大切に歌いました。
これから映画をご覧になる皆さんはきっと、松坂桃李さん演じる磐音、またこの物語に登場する人々の悲しみや切なさ、愛、そして狂おしい願いのようなものを感じられると思います。
その時歌で、この素晴らしい映画の世界観を伝えるお手伝いを出来ていたら幸いです。
是非映画館に足を運び、ご覧ください。
主題歌の方も楽しみですね。
【なるか!映画“居眠り磐音“のシリーズ化!】
ところで、映画を撮影しているときに、あの大きな事件が起こりましたね。
ピエール瀧被告の逮捕・起訴です。
『居眠り磐音』に出演することが決まっていたピエール瀧被告。
すでにピエール瀧被告のシーンが撮影されたしまっていたそうなんです。
慌てたスタッフは、ピエール瀧被告に替えて、急きょ奥田瑛二さんが出演することを決定し、一度撮ったシーンを再び撮り直し。
かなり素早く対応したんですが、その理由の一つが『居眠り磐音』についてのある意向だそうですよ。
何でも映画関係者によると、『居眠り磐音』を「松坂桃李の代表作にしたい」「長く続くシリーズものにしたい」という思いがあるようなんです。
「松坂は若手俳優の中でも3本の指に入る実力と人気がある売れっ子。
その松坂を時代劇には定評がある老舗の映画会社・松竹が主役に起用した。
原作も大ヒットシリーズということで、映画を何とかヒットさせて、続編、続々編と製作したい意向がある」
だそうです。
今年は4本の映画出演が決まっている松坂さん(詳しくは記事【松坂桃李の最新映画(2019年公開)4作品をすべて紹介】)ですが、来年以降、第2、第3の“松坂磐音“が見られるかもしれません。
侍姿の松坂さんもまた素敵ですから、もしそうなったら嬉しいですね。
(舞台挨拶以外の引用元は映画『居眠り磐音』公式サイト)